お役立ちコラム
IoTセンサーとは?~選び方を徹底解説~
2024.01.31
様々なオブジェクトやデバイスをインターネットに接続し、リアルタイムのデータ収集や制御を行うIoTでは、IoTセンサーが必要不可欠です。取得する情報や数値化するデータ、またそれらの情報やデータで何を行うかによって、様々な種類があるIoTセンサーから「最適」なものを選定する必要があります。今回は、IoT導入に必須のIoTセンサーについて、その種類と選び方をご紹介していきます。
【 目次 】
IoTセンサーとは?
IoTセンサーとは、IoTとして活用するために情報を集めるセンサーの総称です。様々な情報を受信先のシステムの扱いやすいデータとして処理することが可能なため、業界問わずあらゆる場面で活用されています。
▼IoTセンサーでできること
・定量的なデータの取得
・取得したデータをシステムへ送信
・定量的な分析
※IoTについての詳しい説明は、こちらのコラムをご覧ください
IoTセンサーの種類
IoTセンサーには、様々な種類があります。取得する情報や数値化するデータ、またそれらの情報やデータで何を行うかによって、最適なものを選定する必要があります。代表的なIoTセンサーを一部ご紹介しますので、課題や目的によって最適なIoTセンサーを選びましょう。
GPSセンサー
人工衛星によって位置情報を割り出す全世界的な位置測位システムであるGPS (Global Positioning System) を使用したセンサーです。
▼GPSセンサーの活用例
カーナビ:位置情報の特定だけでなく進行方向も検知することで、現在位置から目的地までナビゲーションしてくれます。
スマートフォン:位置情報を活用することで、電車の乗り換え、天気情報、健康管理(歩数計など)といった、様々なアプリに活用されています。
加速度センサー
加速度センサーは、単位時間あたりの速度変化を検出できるセンサー(加速度とは速度を微分したもの)です。傾きや振動などを検知することができます。
▼活加速度センサーの活用例
ゲーム:ゲームコントローラーに搭載された加速度センサーは、プレイヤーの動きを検出してゲーム内での操作に反映します。
生産工場:機械の動きや振動を監視し、予防保全に役立てられています。
光センサー
光の有無や強弱を検知するセンサーです。光センサーの特徴は、非接触での検知が可能な点や、検知までの速さなどが上げられます。
▼光センサーの活用例
自動ドア:赤外線や超音波を使用した人感センサーが、瞬時に通行者を感知することでスムーズな開閉を行っています。
家電製品:スマートライトでは光センサーを使用して、部屋の明るさに応じて照明の明るさを調整します。
温度センサー
温度センサーはその名の通り、温度を測定するセンサーです。
▼温度センサーの活用例
製造設備:一定の温度を保つことで品質管理に役立てられています。
農作物:温室での生育管理に活用されており、各農作物に合わせた温度管理のために使用されています。
湿度センサー
大気中の水蒸気量を測定し、数値化するセンサーです。
▼湿度センサーの活用例
エアコン、空気清浄機:室内の湿度を測定し、快適な屋内環境作りに役立てられています。
食品産業:品質管理に活用されています。食品加工時の製造プロセスや食品の保存に適した湿度を維持するために、使用されています。
圧力センサー
物体のみならず、気体や液体にかかった圧力を検知するセンサーです。大気の圧力を測定する気圧計は、高度を測定する気圧高度計が一般的には使用されています。
▼湿度センサーの活用例
血圧計:血液の圧力を測定して、患者の健康状態を評価します。
気象予測:大気圧の変動を観測し、気象の変化を予測します。大気圧が下がると天候が悪化する兆候です。
水位センサー
水面の高さを測定するセンサーです。
▼水位センサーの活用例
水害対策:河川や湖の水位を監視に役立てられています。また取得データから、増水による氾濫予測を立てることも可能です。
貯水池:貯水池の水位を測定し貯水量を管理することができます。給水や灌漑の計画を立てることに使用されています。
距離センサー
対象物までの距離を測るセンサーです。光や超音波によって距離を換算します。
▼距離センサーの活用例
製造工場:工場内では、距離を測定することでモノとモノとの衝突防止に活用されています。
車:駐車のアシストに活用されています。障害物との距離を音声やランプでドライバーに知らせることで、運転に不安を感じるドライバーをサポートしています。
流量センサー
気体から液体まで、あらゆる流体の流量を測定するセンサーです。
▼流量センサーの活用例
食品製造工場:原材料の投入量の管理に活用されています。
危険性が高い流体:直接触れることなく計測が可能なため、非接触が求められる危険性が高い流体(ガソリンなど)の計測に活用されています。
IoTセンサー選び~5つのポイント~
それぞれのセンサーは特徴や強みが異なりますので、選ぶ際にはまずは導入目的を明確にする必要があります。導入目的が明確になることで、用途に合った適切なIoTセンサーを選択することができます。また、使用用途が明確になることで使用環境も自ずと見えてきます。
1
IoTセンサーの精度は?
例えば温度センサーであれば「小数点第2(例:28.12℃)」「小数点第1(例:23.5℃)」のように、IoTセンサーによって取得できるデータの精度が異なります。スペックによって金額が異なる場合もありますので、照らし合わせながら一番バランスの良いものを選択する必要があります。
2
電源と通信頻度は?
膨大なデータを送信する場合や通信頻度を高く送信する場合において、電池式のIoTセンサーではすぐに電池交換が必要になる場合があります。電源からの給電が必須となる場合は、設置場所についても電源が引き込まれているかの確認が必要です。
3
通信規格は?
IoTセンサーがデータを送る際には、適した通信規格を選択する必要があります。例えば、適した通信規格を使用することで、膨大なデータを送信する際には安定した通信が可能となります。逆に、本来は膨大なデータ送信に使用する通信規格をデータ量の少ない通信で使用してしまっては、コストがかさむことになります。その他にも使用したい通信規格が、設置するIoTセンサーのエリア内で使用可能かの確認も必要となります。
4
使用環境は?
取得するデータによって、IoTセンサーは様々な場所に設置をすることになります。その際に、環境に適したIoTセンサーを選択する必要があります。例えば、冷凍庫内で使用する場合は耐寒性(冷凍庫内温度)を、屋外で使用する場合は耐候性(紫外線や雨など)に考慮されている必要があります。
5
IoTシステムは?
IoTセンサーはデジタルデータを取得するものであり、そのままでは人の目でデータを確認することはできません。そこで、IoTシステムと接続することで、データを折れ線グラフなどの表で確認することができるようになります。
IoTセンサーによっては、接続できるIoTシステムが限定的である場合があります。課題や目的によっては、複数のIoTセンサーを導入することも考えられますので、IoTセンサーとIoTシステムは自由に選択できるものをオススメします。将来的な導入も視野に入れつつ、双方の検討を進める必要があります。
※IoTシステムについての詳しい説明は、こちらのコラムをご覧ください
IoTシステム選び~3つのポイント~
IoTセンサーで取得した情報を最大限活用できるかは、選択したIoTシステムによって大きく左右されます。最も適したIoTシステムを選ぶために、重要視して頂きたい項目は3つです。
- 複製データの可視化
- 複数のIoTセンサーを導入した際に、IoTセンサーごとに画面を切り替えるのは非常に煩わしく思えるでしょう。1つの画面で一元管理ができれば、効率よくデータを活用することができます。
- IoTシステムのカスタマイズ性
- 取得したデータを理想的な形で活用するためには、IoTシステムのカスタマイズ性が重要です。グラフの表現方法やサイズ感など、自由にカスタマイズが出来れば、より効率的に取得したデータの活用ができます。
- システムの導入費用
- システムの開発・カスタマイズ費用、IoTセンサー機器など、これらの初期費用と共に、導入後にはシステムやIoTセンサーの通信費用などのランニングコストも必要となります。「費用対効果」と合わないことがないように、事前のコスト試算は非常に重要です。
実際の企業様の活用事例
冠水発生地をいち早く把握!防災・水災害対策に寄与するIoT
大雨などの自然災害時に、浸水・冠水が発生するケースがあります。
オプテックス社の「冠水モニタリング」は、道路や設備の冠水発生地を素早く検知し、通知するIoTサービスです。
小型の冠水センサーとIoT無線ユニットを街路灯やカーブミラーなどの支柱に取り付け、道路の冠水・浸水をモニタリングします。モニタリングサービスに使用する機器は電池駆動なので、電源工事無しで簡単に設置可能です。これにより、自治体のみならず企業の設備や敷地内の冠水をいち早く把握し、緊急時の被害を最小限に抑えることが可能となります。
また、遠隔で冠水・浸水状況を検知できるため、早めに対処することで従業員の安全も確保できます。
「冠水モニタリング」を活用することで、地域の安全、町の安全、設備の安全を実現します。
オプテックス株式会社「簡易冠水モニタリング」
簡単・便利!環境センサーで遠方のご家族を見守るIoTサービス
環境センサーを見守られる側のご自宅のコンセントに接続するだけで、自動で室内情報(温度・湿度・照度)を収集します。新たな通信回線の契約が不要なため、手軽に遠方のご家族の見守りを始めることができます。
見守る側は、収集した情報をいつでも簡単にクラウドサービス上で確認することが可能です。また、予め閾値を設定することで、室温・湿度の極端な上昇や照度に変化がないなど異常を検知し、メールでお知らせする機能も有しているため、安心してご利用いただくことができます。
「みまもりーね」は私生活に溶け込むように、見守られる側の負担にならない見守りを実現します。
株式会社 ウェバートン「みまもりーね」
今すぐIoTセンサーを導入する
IoTセンサーによって、様々なことが実現できることがわかりました。お伝えした通り、IoTセンサーで取得した情報を最大限活用できるかは、選択したIoTシステムによって大きく左右されます。そこでオススメしたいのが、取得した情報をわかりやすく可視化するIoTプラットフォームのIoT Stationです。IoT Stationはただ可視化するだけではありません。お客様のデータ特性に合わせて自由にカスタマイズすることが可能です。また、IoT Stationのランニングコストは「基本料金」と「センサーごとの従量課金」です。従量課金制のため、最小限のセンサー台数からの小規模スタートが可能です。試行錯誤しながら少しずつ範囲を広げていくことで、リスクや変化に伴う従業員の負担を最小限に抑えることができます。
3分でわかる!IoT Stationのご紹介
IoT Stationは、通信回線やゲートウェイ、IoTセンサーの種類を問わず、様々なデータをWEBブラウザ上で可視化するIoTプラットフォームサービスです。
デザイン豊富な「IoT Stationテンプレート」をご利用いただくことにより、開発期間を削減し、スピーディーなDX化が可能となります。
IoTセンサーを徹底解説!選定ガイドはこちら!
IoTセンサー選定ガイド
IoT導入の際には目的や課題に沿った最適な IoT センサーを選択する必要があり、種類や特徴について理解を深めることが大切です。本資料では、IoT センサーについての解説や選定ポイントをご紹介します。