お役立ちコラム
予知保全×IoTで設備保全を最適化
2022.12.28
生産機械や管理設備の不具合・故障は、修理に時間と修繕費用がかかるため、企業の打撃となることは言うまでもありません。
「予知保全」は安定した稼働を図るために、注目を集めるようになった言葉です。今回は、この「予知保全」の意味や、IoT導入による効果について説明します。
予知保全とは
「予知保全」とは、機械や設備に不具合や故障が起こる予兆を検知して、未然に防ぐことです。機械や設備のダウンタイムを短縮することで生産性の向上だけでなく、人や時間的メンテナンスコストの削減を行い、業務を効率化させることも可能です。より高い安定稼働は働き方改革へと繋がり、従業員のライフワークバランスも向上します。
「予知保全」には、混同されやすい「事後保全」「予防保全」があります。どちらも保全ではありますが、アプローチ方法が少し異なります。
事後保全
・「事後保全」は、機械設備に不具合が発生した後に保全を行うことです。その中でも、さらに「緊急保全」と「計画事後保全」に分けられます。
メリット:故障が発生するまでは、保全業務にコストがかからない。部品や機械を寿命いっぱいまで活用することができる。
デメリット:復旧までに長期間、稼働が停止することもあり、生産性が落ちて生産計画を狂わす恐れがある。完全に故障してしまってからだと、修繕費用がかかりやすい。
・「計画事後保全」とは故障によって生産をストップしないよう、予め代わりの機械を用意し、代わりのもので対応することです。
メリット:代わりがあるため、日々の保全業務が発生しない。
デメリット:予備機械や部品を用意するため、使用時期が不明な物へのコストがかかる。
予防保全
「予防保全」は、機械や設備に不具合や故障が起こる前に、定期的に決められた時期にメンテナンスを行うことで、故障を防ぐ方法です。
例えば、「この部品は使用してから時間が経っているから、1か月ごとに点検しよう」「この機械はまだ新しいから、1年ごとに点検しよう」など、対象物の点検周期を決めて、定期的にメンテナンスを行います。
メリット:定期的なメンテナンスにより、突発的なトラブルを回避できる。点検期間が決まっているため、スケジュールの管理がしやすい。
デメリット:種類が多いと保全業務に時間がかかり、スムーズに作業が進まない。オーバーメンテンナンスとなっている可能性があり、無駄な保全費用がかかっている。
設備管理の課題
事後保全と予防保全は、以前から実施されている保全方法ではありますが、アナログ的な対応のため、様々な課題を抱えているのではないでしょうか?
- 01.設備や機械の状態把握
- 事後保全は不具合が発生した時にしか状態を知ることができません。予防保全は定期的な点検と器具の劣化がずれた場合、兆候を察知することができません。
修繕コストを抑えつつ、状態に合わせた最適なメンテナンスを行うためには、適切な状態把握が必要となります。
- 02.判断基準が曖昧
- 機械や部品の交換時期は、長年の感覚から判断しており属人化していることも珍しくないでしょう。判断基準が明確でないため、限られた作業員でないと対応ができないのは大きな課題の一つです。
様々な業界で人手不足が嘆かれているため、出来るだけ早く属人化から脱却する必要があります。
- 03.作業員による見落とし
- 担当作業員が一つずつ目視で確認を行うため、ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいです。見落としや勘違いにより、予期しないトラブルが発生する可能性もあります。
再発防止のためのマニュアル作成も大切ですが、人的作業を減らす業務改革も検討すべきでしょう。
予知保全で保全業務を最適化する
工場にとっては生産ラインが長時間止まれば止まる程、損害は大きくなります。管理設備に不具合が起これば、機械や設備の安全を守ることができません。保全において重要なことの一つは、如何に安定稼働させ、高い稼働率を維持するかです。
人の目で完璧に確認することはできません。知らない間に劣化が進み、修復するのに時間が掛かってしまうなんてことにならないように、機械や設備の劣化状態に早目に気付くことが必要です。
予知保全であれば、機械や設備の不具合や故障を未然に防ぐために、予兆を検知して行うことができます。「故障の予兆を検知したから、点検して補修しよう」と、作業員も効率よく動くことが出来ます。
予知保全にはIoTの導入が効果的
予知保全は、不具合や故障の予兆を検知することがポイントです。この「予兆を検知する」ですが、IoTを導入することで可能になります。対象となる機械や設備にIoTセンサーを取り付けることで、稼働状況や状態を常に監視することができます。
予知保全を行うことで、上記で上げた課題が解決するだけでなく、様々なメリット得ることができます。
- 01.設備や機械の状態把握
- 最新状態を把握することで、保全費用を最適化
機械や設備にIoTセンサーを取り付けるため、最新の状態を把握することができます。状態に合わせたメンテナンスが可能となるため、とりあえず全ての部品を保全しなければならない、ということが起こらなくなります。適切な保全により、人や時間的コストの削減が見込めます。
- 02.判断基準が曖昧
- 保全業務の標準化
IoTを導入することで、技術力に左右されずに判断することが可能となります。属人化を解消することで、生産性も向上します。
- 03.作業員による見落とし
- 作業員の負担を減らし、業務の効率化
機械や設備の稼働状況をリアルタイムでモニタリングできるため、ヒューマンエラーを防ぐごとができます。また、作業をストップして機械の状況を見に行く必要がなくなるため、業務工数の削減となります。無駄な作業が発生せず、納期に余裕を持ってスムーズに作業することが出来ます。
負担を抑えながらIoT×予知保全を始めるなら
では具体的に、どのように「予知保全」を始めればよいのでしょうか。
IoT Stationの提供する、設備管理ソリューションであれば、設備管理・監視にご活用いただける機能を標準でご用意しておりますので、開発費用を抑えて予知保全を始めることができます。
多種多様なセンサーに対応しているため、工場・施設内の設備稼働状況や稼働時間、施設内温度などの様々なデータを一元管理が可能です。業務効率を向上させ、省人化を実現します。
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