お役立ちコラム
IoTセンサーとは?種類や特徴からの選び方
2023.11.24

【 目次 】
IoTセンサーとは?
IoTセンサーとは、IoTとして活用するために情報を集めるセンサーの総称です。様々な情報を受信先のシステムの扱いやすいデータとして処理することが可能なため、業界問わずあらゆる場面で活用されています。
人の五感は大変優れていますが、定量的ではありません。例えば、今あなたがいる部屋の温度は、感覚では分かりませんよね。IoTセンサーであれば、正確な温度が分かります。それだけでなく、取得した温度などをシステムに送信し、活用することで定量的な分析も可能となります。
※IoTについて、詳しく知りたい方は「IoTとは?」資料をご覧ください
IoTセンサーの種類と特徴
様々なデータの取得を行うIoTセンサーはIoTにおいて、大変重要なものです。実際に多岐に渡る分野で活用されています。活用の広がる理由は、多種多様なデータの取得が可能なこと、取得したデータを元にリアルタイムで状況に応じた適切な制御が可能であることなどです。ビジネスやサービス向上に活かすことで、より快適で持続可能な社会の実現に貢献することもできます。
既にあらゆる場面で活用されているIoTセンサーですが、導入の際には目的や課題に沿った最適なIoTセンサーを選択する必要があり、種類や特徴について理解を深めることが大切です。では次に、多種多様なIoTセンサーの一部をご紹介します。
GPSセンサー
人工衛星によって位置情報を割り出す全世界的な位置測位システムであるGPS (Global Positioning System) を使用したセンサーです。カーナビやスマートフォンで使用されており、24時間、地球上のどこにいても位置情報を特定することができます。
加速度センサー
加速度センサーは、単位時間あたりの速度変化を検出できるセンサー(加速度とは速度を微分したもの)です。傾きや振動などを検知することができるため、カメラの手ぶれ補正やゲームのリモコンで活用されています。
光センサー
光の有無や強弱を検知するセンサーです。光センサーの特徴は、非接触での検知が可能な点や、検知までの速さなどが上げられます。光センサーを活用した一例として、自動ドアが上げられます。赤外線や超音波を使用した人感センサーが、瞬時に通行者を感知することでスムーズな開閉を行っています。
温度センサー
温度センサーはその名の通り、温度を測定するセンサーです。温度センサーはあらゆる業界で活用されています。例えば、製造設備では品質管理のために、一定の温度を保つ目的で活用されています。農業では農作物を温室で生育している場合、温度センサーを用いた生育管理が重要です。温室の温度は生育に直結するため、各農作物に合わせた温度管理に温度センサーは活用されています。
湿度センサー
大気中の水蒸気量を測定するセンサーです。エアコンや空気清浄機に使用されており、快適な屋内環境作りには必要不可欠です。また、湿度管理が重要であるOA機器や食品加工工場などでも利用されています。
圧力センサー
物体のみならず、気体や液体にかかった圧力を検知するセンサーです。大気の圧力を測定する気圧計は、高度を測定する気圧高度計が一般的には使用されています。気圧高度計は、主に航空機や登山で活用されています。
水位センサー
水面の高さを測定するセンサーです。河川やため池などの水害対策に活用されています。遠方での監視ができるだけでなく、リアルタイムで状況を把握できるため、増水による氾濫の予測をすることも可能です。
距離センサー
対象物までの距離を測るセンサーです。光や超音波によって距離を換算します。 例えば工場内では、距離を測定することでモノとモノとの衝突防止に活用されています。身近なところでは、車の駐車のアシストに活用されています。障害物との距離を音声やランプでドライバーに知らせることで、運転に不安を感じるドライバーをサポートしています。
流量センサー
気体から液体まで、あらゆる流体の流量を測定するセンサーです。 例えば、食品製造工場では原材料の投入量の管理に活用されています。また直接触れることなく計測が可能なため、非接触が求められる危険性が高い流体(ガソリンなど)の計測にも活用されています。
IoTセンサーの市場動向

経済産業省によると、2023年ではセンサー市場の約8兆円のうち、IoTセンサーは約3兆円でした。しかし、2030年にはセンサー自体の市場規模も約12兆円拡大し、そのうちの50%以上となる約7兆円がIoTセンサーになると予測されています。センサー市場では、今度増々IoTセンサーの勢力が拡大し、世界的にDX化に向けて流れが加速するとしています。
※出典:経済産業省「次世代デジタルインフラの構築」
IoTセンサーの活用事例
市場規模の拡大と共に、IoTセンサーはあらゆる業界で革新的な活用が進んでいます。DXを推進する企業の目的は総務省「令和4年版情報通信白書」によると、最も多かったのは74.8%で「生産性の向上」、次いで、63.5%が「データ分析・活用」でした。とはいったものの、実際にどのような業界でどのような場面で活用されているのでしょうか。具体的な事例をご紹介します。
※出典:経済産業省令和4年版情報通信白書
1
スマート農業
IoTセンサーは農業にも応用されています。例えばビニールハウス内に温湿度センサーを設置すれば、24時間知りたいときにスマホやPCなどで簡単に温湿度を把握することができます。IoTセンサーはこのようなリアルタイムの環境情報の取得だけでなく、情報を元に収穫時期や収穫量を予測することも可能です。収穫時期と収穫量から、必要な人員の確保や農作業の最適なスケジュールを立てることが可能となります。
2
作業員の安全管理
現場で働く作業員に生体情報や位置情報の取得できるIoTを身に着けさせることで、体調管理が可能となります。炎天下での作業では体温や心拍数などの変化をモニタリングすることで、熱中症などの体調不良を未然に防ぐことが可能です。事前に設定した閾値を超えた際にアラームを出すことで、重篤な症状に至る前に休息を促すことができます。IoTは本人ですらも気づきにくい異常を察知し、より確実な安全管理を実現します。
3
飲食店・飲食業
食料・原材料を取り扱う業界では食中毒のリスクがあるため、保存環境の管理は非常に重要です。もしもマンパワーで対応するとなると、ヒューマンエラーによる食品事故が起こる可能性が高まります。 IoTを活用すれば、食品・原材料を保存する食品冷蔵・冷凍庫の温度を自動計測、自動記録が可能となり、24時間の適切な管理が可能となります。
4
物流パレットの管理
物流業界にはいくつかの課題があり、その1つがパレット管理です。パレットは倉庫や店舗を移動するため、目視での管理は非常にしにくく、手間がかかることが課題でした。そこでパレットにIoTセンサーを取り付けることで位置情報を取得するとします。IoTにより、いつでもどこでも位置を把握することができるため、滞留や紛失が無くなり、パレットの運用・管理コスト削減が実現できます。
5
スマート工場
工場にIoTを導入することで、故障の予兆を検知することが可能となります。例えば、機械や設備にIoTセンサーを取り付けることで最新の状態を把握することができます。これにより状態に合わせたメンテナンスが可能となるため、適切な保全により、人や時間といったコストの削減が見込めます。IoTを活用すれば、知らない間に劣化が進むということはありません。機械や設備の不具合や故障を未然に防ぐことができるため、機械や設備を安定稼働させ、高い稼働率の維持を実現できます。
ご紹介した内容は活用のほんの一例であり、IoTセンサーの活用領域はさまざまです。
実際に導入している企業様のIoTの活用事例を公開中!詳しくはコチラから
IoTセンサーの選び方
【1】導入目的は?
それぞれのセンサーは特徴や強みが異なりますので、まずは導入目的を明確にする必要があります。導入目的が明確になることで、用途に合った適切なセンサーを選択することができます。また、使用用途が明確になることで使用環境も自ずと見えてきます。例えば、冷凍庫内で使用する場合は耐寒性(冷凍庫内温度)を、屋外で使用する場合は耐候性(紫外線や雨など)を考慮する必要があります。このように、使用環境に合わせたIoTセンサーを選ぶ必要があります。
【2】IoTセンサーの精度は︖
例えば温度センサーであれば「小数点第2(例:28.12℃)」「小数点第1(例:23.5℃)」のように、センサーによって取得できるデータの精度が異なります。スペックによって金額が異なる場合もありますので、照らし合わせながら一番バランスの良いものを選択する必要があります。
【3】流通性や価格は?
IoTセンサーを選ぶ際には、交換部品を含めた流通性を確認しましょう。流通量が少ない場合は、IoTセンサー自体が高額となり、活用事例が少ないケースがありえるからです。事例が少ないと、トラブルが発生した際に解決までに時間を有することも起こりえます。
また、似たような機能を持つIoTセンサーが複数ある場合は、スペックによって金額が異なりますので、照らし合わせながら一番バランスの良いものを選択する必要があります。
【4】電源と通信頻度は︖
膨大なデータを送信する場合や通信頻度を高く送信する場合において、電池式のセンサーではすぐに電池交換が必要になる場合があります。電源からの給電が必須となる場合は、設置場所についても電源が引き込まれているかの確認が必要です。
【5】IoTシステムは?
IoTセンサーによっては、接続できるIoTシステムが限定的である場合があります。
課題や目的によっては、複数のIoTセンサーを導入することも考えられますので、IoTセンサーとIoTシステムは自由に選択できるものをオススメします。将来的な導入も視野に入れつつ、双方の検討を進める必要があります。
IoTシステムで最大限活用する
最適なIoTセンサーと同時に、最適なIoTシステムを選択する必要があります。様々なIoTシステムがある中で、重要視するポイントは2つです。
【1】様々なIoTセンサーに対応しているか
複数のIoTセンサーを導入した際に、IoTセンサーごとに画面やシステムを切り替えるのは非常に煩わしく思えるでしょう。1つのIoTシステムで一元管理ができれば、効率よくデータを活用することができます。
【2】IoTシステムのカスタマイズ性
取得したデータを理想的な形で活用するためには、IoTシステムのカスタム性が重要です。グラフの表現方法やサイズ感など、自由にカスタマイズが出来れば、より効率的に取得したデータの活用へと繋がります。
IoTシステムはIoT Stationがオススメ!
IoTプラットフォームであるIoT Stationであれば、「様々なIoTセンサーへの対応」「IoTシステムのカスタマイズ性」の両方が備わっています。

3分でわかる!IoT Stationのご紹介
IoT Stationは、通信回線やゲートウェイ、IoTセンサーの種類を問わず、様々なデータをWEBブラウザ上で可視化するIoTプラットフォームサービスです。
デザイン豊富な「IoT Stationテンプレート」をご利用いただくことにより、開発期間を削減し、スピーディーなDX化が可能となります。
IoTセンサーを徹底解説!選定ガイドはこちら!

IoTセンサー選定ガイド
IoT導入の際には目的や課題に沿った最適な IoT センサーを選択する必要があり、種類や特徴について理解を深めることが大切です。本資料では、IoT センサーについての解説や選定ポイントをご紹介します。