お役立ちコラム
スマートビルディングとは?定義や具体例もあわせて紹介
2024.04.11
近年、「スマートホーム」や「スマートスピーカー」、「スマートファクトリー」など、IoTやICT、AIの技術を活用した「スマート化」の動きが見られます。その中で、建物の利便性や安全性確保のために、IoTやICT技術を搭載した「スマートビルディング」という言葉があります。建設業界やエネルギー管理業界の中では、馴染みのある言葉なのではないでしょうか。
今回は、このスマートビルディングについて、実現できることやメリットについて紹介します。
【 目次 】
スマートビルディングとは?
「スマートビルディング」とは、IoTやICT、AIといった最先端技術を搭載した建物のことを指します。IoTセンサーやネットワーク、AI、自動化などの技術を統合し、建物内の様々な機能を効率的に制御・管理します。
※IoTについての詳しい説明は、こちらのコラムをご覧ください
▼スマートビルディングで制御・管理されるものの一例
・空調や照明の制御や使用状況の確認
・利用者数のカウントや分析
・ビルセキュリティ面の強化
BEMSとBASとは?
スマートビルディングには、最新技術が必要不可欠です。その際に登場する技術が「BEMS」「BAS」です。「BEMS」と「BAS」は、どちらも建物の運用管理を支援するシステムのことを指しますが、目的が異なります。建物管理システムを導入にあたり、自社でどのような課題があるのかを洗い出したうえで、導入を検討する必要があります。
BEMS(ベムス)とは
「BEMS(ベムス)」とは「Building Energy Management System(ビルエネルギー管理システム)」の略称であり、建物のエネルギー消費を最適化し、効率的なエネルギー管理を実現するためのシステムです。BEMSは、さまざまなIoTセンサーやシステムと組み合わせて構成されており、建物全体のエネルギー使用状況をリアルタイムで監視し、制御することができます。
<目的>
建物のエネルギー消費を効率的に管理し、省エネルギー化を促進する
<できることの一例>
・IoTセンサーと組み合わせることで電力の使用量を見える化する
・把握したデータを元に節電、省エネ対策を実施
BAS(バス)とは
「BAS(バス)」とは「Building Automation System(ビルオートメーションシステム)」の略称であり、建物内の設備やシステムを自動化して制御するための総合的なシステムです。空調、セキュリティ、防災など、様々な設備を統合監視し、一元管理することができます。
<目的>
建物の様々な機械システムや設備を自動化し、効率的に制御する
<できることの一例>
・IoTセンサーと組み合わせることで様々な情報を見える化する
・様々なIoTセンサーから得られた情報(空調、セキュリティ、防災など)を統合監視し、一元管理を行う
スマートビルディングのメリット
スマートビルディングは、先進的なテクノロジーを活用して建物の運用管理や利用環境を最適化することで、さまざまなメリットを提供します。以下に、スマートビルディングの主なメリットについて記載します。
エネルギー効率の向上
IoTセンサーやIoTデバイスを活用してエネルギー使用状況をリアルタイムでモニタリングし、空調や照明などの設備を効率的に制御します。このため、不必要なエネルギー消費を抑えてコスト削減を実現し、持続可能な建物運用を推進します。
快適性の向上
利用者のニーズや環境条件に応じて空調や照明を自動調整することで、快適な居住・作業環境を提供します。室内の温度や照度が適切に管理されるため、利用者の生産性や満足度が向上します。
建物メンテナンスの最適化
取得したIoTデータを解析することでメンテナンスや点検計画を最適化することができます。さらに設備の故障や異常を早期に検知し、対応することも可能となります。これにより、運用コストの削減と建物の長寿命化が実現します。
セキュリティ強化
高度なセキュリティシステムを導入することで建物の安全性を強化することができます。アクセス制御システムや監視カメラ、センサーデバイスなどを統合管理し、不正アクセスや異常な動きを検知して防止します。
リアルタイムなデータ分析と意思決定の支援
収集されたデータをリアルタイムで分析し、建物の運用状況やエネルギー消費パターンを把握します。これにより、適切な施策や改善策を素早く実行することが可能となります。
スマートビルディングの具体例
なぜ、スマートビルディングが注目されているのでしょうか。様々な理由がありますが、IoTやICTを活用した「スマート化」の動きが発達していることが、基盤としてあります。IoTを活用することで、機械の自動化や、室内温湿度管理、セキュリティ対策を実現することができます。
では実際に、IoTを活用したスマートビルディングはどのようなものがあるのでしょうか。
建物内のリアルタイムの環境管理
IoTセンサーを活用することで、温湿度CO2濃度のデータを取得することができ、建物内のリアルタイムの環境管理が可能です。これにより、快適な室内環境を維持することがき、適切な冷暖房制御や換気管理が可能になります
電力消費管理
スマートメーターからのデータ取得、各種メータのOCRの読み取り等を行うことで、建物内の電力消費をリアルタイムでモニタリングすることが可能です。目に見えない電力消費量をデータで可視化し、毎日の電力消費量を自動で記録することができます。センサーを活用した照明・空調管理による節電から、エネルギー効率の向上を図り、需要管理を行うことで電力コストの削減に繋がります。
混雑状況管理
建物内にIoTセンサーを設置することで、室内ごとの人数把握や混雑状況を管理することが出来ます。例えば、混雑状況が高い時には、混雑エリアへのアクセスを制限するなど、人の流れをスムーズに動かす工夫ができます。
建物の老朽化予防
建物内の設備にIoTセンサーを設置することで、設備の状態をリアルタイムでモニタリングすることが可能です。これにより、機器の異常や劣化を早期に検知し、必要なメンテナンスを予測することができます。定期的な保守や点検により、老朽化を防止します。
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